名探偵ポワロ『オリエント急行の殺人』 著/アガサ・クリスティ The Murder on the Orient Express by Agatha Christieオーディオブックと読む世界の名作

ベルギー出身の名探偵エルキュール・ポワロ(Hercule Poirot)シリーズ

あらすじ 

世界で一番贅沢な列車、オリエント急行。その列車がイスタンブールからパリへ向けて出発します。

乗客はアメリカ人の事業家、ロシアの伯爵夫人、結婚を繰り返す富裕なアメリカ人マダム、そしてベルギー出身の名探偵エルキュール・ポワロら。

ユーゴスラヴィアの山間部で雪崩が起き列車が脱線し進めなくなります。

そして朝になり、アメリカ人実業家のラチェットが個室で刺殺死体となって発見したされます。辺りは雪に覆われた山の中、外に逃げ道はありません。論理的に考えると、犯人は乗客のひとり。

捜査を始めたポワロは苦悩します。なぜ被害者の遺体に刺し傷が12個もあるのか?なぜ手がかりがいたずらに多いのか?

ポワロの灰色の細胞が弾き出した結論は?やがて世間を騒がせた事件とその陰で苦しんだ一家の苦悩が明らかになります。

誰が犯人かを突き止めるための操作は究極の疑問に当たります。人による正義が法による正義にとって代わるのが許されるのか・・・・。

テーマ

家族の愛

身代金を払ったにも関わらず誘拐された少女が殺された事件。残された家族は悲しみをどう乗り越えられるでしょう?

家族愛、母性愛という問題にミステリーの女王アガサ・クリスティが作家として、女性として母親として迫った作品。

法の正義と人の正義

少女を誘拐し殺害した男は正義の手を逃れ、何もなかったようにのうのうと生きている。この世に正義はないのでしょうか?

少女の誘拐殺人事件に巻き込まれた関係者が「人としての裁き」を下すという事件を偉大な探偵エルキュール・ポワロはどう「解決」するのか。そして「正義とは何か」の普遍のテーマに挑みます・・・。

モチーフ

オリエント急行

世界で最も贅沢でロマンチックなコースを走る列車、オリエント急行(L’Orient Express)。

1883年にフランスのCIWL国際寝台車会社が創設した、パリ・ウイーン・ベネシアをつなぐ高級寝台付き列車。1919年にはコンスタンティノープル(現イスタンブール)まで延長されました。

室内装飾、寝台、テーブルウェア、料理。

全てが最高の水準を誇るものばかりが揃い最高の乗り心地が約束される、世界一の寝台車。

翻訳

日本語版は「オリエント急行殺人事件」のタイトルで出版

翻訳:山本やよい(角川文庫)

 

オーディオブック

朗読:デービッド・スーシェ(俳優)

映画化 オリエント急行殺人事件(2018年公開)

制作:ケネス・ブラナー

プロデュース:リドリー・スコット、マイケル・ゴードン、サイモン・キンバーグ、ケネス・ブラナー、ジュディ・ホフランド、マイケル・シェイファー

監督:ケネス・ブラナー

脚本:マイケル・グリーン

音楽:パトリック・ドイル

配役:ケネス・ブラナー

   ジョニー・デップ 

   ミシェル・ファイファー 

   ジュディ・デンチ 

   ペネロペ・クルス

   デイジー・リドリー

配給:20世紀Fox

公開:2018年

まとめ

贅沢な汽車の旅といえばオリエント急行。イスタンブール発パリ行きの列車の客室で殺人が起きます。周囲は深い雪に覆われていて犯人に逃げ道はありません。可能性はただ一つ。犯人が乗客に紛れているのです。

密室殺人事件の最高峰といえる本作品では、列車のように狭い空間で15名余りの人間の前で犯人はどう動いたのか?どうやって隠れたのか?を解き明かすのが。アガサ・クリスティはこのテーマの極限に挑みました。

そして「法の裁きと人の裁き」をどう捉えるのか、法の盲点をつく犯罪などのテーマを盛り込んで、まさにミステリーの最高傑作を作り出しました。

小説だけでなく何度も何度もドラマ化、映画化された点もうなづけます。

この作品は原作の英語版も日本語版もフランス語版もあります。そしてもちろんオーディオブックも。ヒアリングと長文読解の訓練をしたい方に向いている作品です。ぜひお楽しみください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

次回をお楽しみに!!A bientôt!!

和泉 涼

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