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ほかの作家たち

プレイヤデスの7姉妹 第3話 「愛の歌姫スター」著ルシンダ・ライリー

2021年7月11日 by Izumi Ryo

こんにちは。和泉 涼と申します。今回はアメリカのベストセラー作家ルシンダ・ライリーの作品、フランスでも大ヒット中のシリーズ「プレイヤデスの7姉妹」の第3話『影の歌姫』についてお話しします。

あらすじ

億万長者のパー・ソルトはレマン湖のほとりの古城に住んでいました。そして世界中を歩き回って探した出した6人の女の赤ん坊を養女に迎えプレイヤデス星団にちなんで命名し「アトランティス」で大切に育てました。

プレイヤデス星団といえば日本では昴の名前でも知られ7つの明るい星からなる星団。パー・ソルトは娘を7人養女に迎える計画でした。6番目のエレクトラが来た後にパー・ソルトは7人目の赤ん坊の行方を追いましたがなぜかアトランティスに連れ帰ることがありませんでした。

2007年6月、パー・ソルトは突然亡くなります。彼がどうやって生計を立てていたのか。彼は莫大な財産をどうやって手に入れたのか。彼はなぜ世界中に散らばっていた6人の赤ん坊を養女に迎えたのか。7人目の妹はどこにいるのか。パー・ソルト本人がどこの国の出身で本当の名前はなんというのかすら謎のままとなってしまいます。

養父の死の知らせに、世界に散らばっていた6人の娘たちはアトランティスに集まります。パー・ソルトは娘たちに一通ずつ手紙を遺していました。手紙の中には出生の秘密を解くことができる手がかりが。

第1話では長女のマーヤが、第2話では次女のアリーがパー・ソルトの手がかりをもとに旅立ち、本当の家族を見つけて新たな人生を歩み始めました。詳しくはそれぞれの記事をお読みください。

3作目となる本作では3番目の娘のスターことアステローペのお話です。

スターは長身で肌色も明るいブロンドの美しい女性に成長しました。幼い頃から内気で他人と打ち解けるのが苦手な性格。一方6ヶ月違いの妹、シーシーことセラネオは思ったことをすぐに口にするボーイッシュな性格で、気性が正反対で年齢が近いとこもあってか双子の姉妹のような親近感がありました。

10年ほど前、スターはイギリス文学が好きで作家を目指してケンブリッジ大学への進学を目指しましたが、シーシーとの別離がネックになって進学をあきらめたいきさつがあります。そして現在はこれといった職業を持たずに妹のシーシーと一緒に世界中を旅行している時に養父の訃報が入りスイスへ戻って姉妹たちと再会したのです。

一番上の姉マーヤは翻訳家、2番目の姉のアリーは有能なヨットのレーサーであり素晴らしいフルート奏者、すぐ下の妹のシーシーは画家の卵、その下の妹のタイジェットには予知能力が、そして末の妹のエレクトはスーパーモデルとして世界中で活躍中。

姉や妹たちに比べるとスターはごちそうをこしらえたり、家の住み心地をよくしたり、ガーデニングが得意な点を除くとこれといった才能に恵まれていないように思え、姉や妹たちの充実した生き方が羨ましく感じられるようになります。同時にシーシーとの特殊な姉妹関係への苛立ちも感じられるようになっていました。

女性が社会進出が認められる現代に生きながら、これといった野心も持たずに生きていくのはおかしいのではないだろうか。こんな自分に養父のパー・ソルトも恥じていたのではないか。そんな疑問が心をよぎるようになります。

亡き養父パー・ソルトの最後の手紙には、スターの出生の秘密を解明するための手がかりとして、ロンドンのケンジントン通りの古本屋さんの住所と不思議な黒豹を象った置物が入っていました。

運命に導かれてケンジントンの古本屋を尋ねるとオーナーはケント州の旧家ヴォーン家の家柄であることが分かります。1919年頃の当主の妻はあのベアトリックス・ポッターと交友があったとも分かります。

ヴォーン家は今は財産の大部分を失い、現当主は長男の出産後に妻を亡くし失意の日々。変わり者の次男は古本屋を経営しているとはいうものの採算が取れずに破産の寸前。二人の従兄弟のマーガレットは画家で7歳になるローリと本宅に住んでいますが屋敷が古くなり大きすぎるために管理が手に余り、こちらも経済的にもがいている状態。

人付き合いが苦手なスターは彼らと出会うなりすぐに心が通い合うようになります。そして心を込めてこしらえたごちそうを一緒に食べ、スターの持ち前の穏やかな暖かさに触れて少しずつ活力を取り戻していきます。

本作では1909年から1944年の激動の時代に引き裂かれた恋人たちの物語と、自分のルーツを探す旅の途中で人生の意義を見出すスターの姿が美しく絡み合う、愛と勇気の物語。

Audibleで読もう

Amazon.jpでは単行本を見つけましたが、すぐにダウンロードできるAudibleを購入しました。

アマゾン・ジャパンの購入ページこちらこちら .

アマゾン・フランスの購入ページは こちら .

感想

前作と同じようにスターのルーツにつながる家族のドラマチックな物語があります。今回はベアトリス・ポッターと親交のあったフローラがスターの大叔母という設定からこの大叔母の波瀾万丈な半生が語られそこに自分のルーツを探すスターの物語が美しく絡められています。

スターの物語の中に20世紀の初頭のイギリスを舞台にした大叔母の物語が内包されていて一つの小説で2つのストーリーを楽しむスリルがありました。

日本語に翻訳されていないのが残念ですが、いつか登場することを強くお祈りして締めくくりたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

和泉 涼

Filed Under: ほかの作家たち

影の歌姫 セブンシスターズ第2巻 著/ルシンダ・ライリー

2021年7月2日 by Izumi Ryo

こんにちは。和泉 涼です。いよいよ7月到来!夏本番です。今日はルシンダ・ライリーの超大作の2作目の小説をご紹介します。日本名『影の歌姫』です。

あらすじ

エーゲ海2007年6月。アリーことアルシオーネはパー・ソルトが養女に迎えた6人の娘の次女。ジュネーブのレマン湖のほとりの古城アトランティスで5人の姉妹たちとなに不自由なく育ちました。

アリーが恋人のテオと二人きりのクルージングを楽しんでいると突然養父の訃報が入ってきます。彼女は悲嘆にくれる間もなくアトランティスへ戻ります。

アリーは幼少の頃から様々な才能に恵まれていました。それは生まれついての音楽の才能とパー・ソルトから伝えられたクルージングの才能。彼女は大学で音楽を学んだもののプロ・クルーザーの道を選びました。そして30歳の今、押しも押されない名クルーザーの名声をほしいままにしていました。

彼女のチームは世界的に知られる名スキッパーのテオの指揮のもと英国中で有名なレガッタで優勝を収めたばかり。すでに国際試合への出場が決まっていました。その合間に二人は互いに惹かれあっていることに気づき数日間二人きりでテオのヨットで短いバカンスを楽しんでいました。

そんな愛の時間も束の間、養父の訃報が飛び込んできます。次女のアリーはアトランティスに戻ると長女マイアの補佐役を見事にこなし姉妹たちを励まします。ところが運命のいたずらでアリーはさらに深い家内しみに埋もれていきます。

パー・ソルトが残してくれた手がかりを辿ると、アリーはノルウェーのフィヨルドに面した古い町ベルゲンに行きつきます。そして20世紀の初めに若き作曲家エドワルド・グリーグが有名な組曲「ペール・ギュント」を書き上げたばかりの時代へ導かれ…。

感想

大好き!!

セブンシスターズの第2話は再び運命に翻弄される家族や引き裂かれる恋人たちの物語がつくる壮大な物語が待ち受けています。主人公アリーはスイス人の若い女性。ノルウェー語も理解できないのに自分のルーツを見つけることができるのでしょうか?彼女の誕生の秘密とは?パー・ソルトはどうやって自分を見つけてくれたのでしょう?

ワクワクはらはらの連続のジェットコースター気分で楽しめる小説です。

嵐の歌姫について(エッセー)注意:物語の手がかり満載です

セブンシスターズのシリーズは2006年に初版が出たシリーズ。プレイヤデス星団の伝説をモチーフにする小説です。

プレイヤです星団は夜空で一番輝いて見える星団。星雲の中に明るい恒星がくっきりと見えます。ギリシア神話には夜空の星の動きにちなむ神話がありプレイヤデス星団の物語もその一つ。ところが驚いたことに同じ星団をモチーフに神話を伝えているのはギリシア神話、ローマ神話に限らず南米やオーストラリアにも見られます。

作者ルシンダ・ライリーはそれらの神話を丁寧に研究しそれにちなんだ物語を紡いでいき、それがシリーズ全体の物語を形作っていく、という壮大な構造をしています。もちろん最終的に行き着く疑問はパー・ソルトは一体何者だったのか、なぜこの6人の赤ん坊を選んだのか、7人目の娘はいないのか?というところになろうかと思われます。

今はただこの素晴らしい物語に身を沈め楽しんでいきたいと思っています。

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蘭の館(上・下)セブン・シスターズ第1巻

2021年6月19日 by Izumi Ryo

和訳版の表紙

愛と運命の力をテーマにした壮大な物語。

あらすじ

2007年、ロンドン。パ・サルトの突然の死の知らせにマイアの血が凍ります。マイアは世界中に散らばっている姉妹たちに悲報を知らせ、彼女たちと子ども時代を過ごしたレマン湖の辺りの城アトランティスへ向います。

養父のパ・サルトは結婚していませんでしたが、世界中を探して自分たちを一人ひとり探し出して養女に迎えてくれました。そして娘たちにプレイアデス星団の星の名前をつけ、湖の辺りの城で大切に育てました。

6人の娘たちはみんなルックスも性格も才能も違っています。そのせいか衝突することもありました。でも誰も養女が選ばれた理由は分かりません。

養父のパ・サルトは家を空けることがよくありました。彼はどこへ、何しに行っていたのか。なぜ娘を7人養女にしたのか。なぜ7人目の姉妹を見つけ出すことができなかったのか。何よりも養父はどんな事業で生計を立てていたのか。娘の自分たちすら 分かっていないことにがくぜんとします。

パ・サルトはひとりひとりに最後の手紙を残しました。中には血のつながった家族を探し出すための手がかりが入っているというのです。

1巻目は長女のマイアの物語。

マイアは翻訳家。養父の最後の手紙を開けると中にはブラジルの首都リオ・ド・ジャネイロにある由緒ある屋敷の座標と陶器の破片が。マイアはブラジルへ行ったことなどありません。知り合いといえば彼女が翻訳を手がけた作家くらい。

誰も知らない街で本当の家族を探し出すことができるのでしょうか。

映画「セブン・シスターズ」

余談ですがネットで「セブン・シスターズ」と検索するとNetflix映画が出てきました。これはヌーミ・ラパス、ウィレム・デフォー主演のSF映画。

この小説とは関係ありません。

出版データ

日本語版

タイトル: 蘭の館 (上・下)

翻 訳 :高橋 恭美子

出版社 :創元推理文庫

出版年 :2017年7月20日

オリジナル

タイトル: The Seven Sisters ”Maya"

作者名 : Lucinda Riley

出版社 :ATRIA BOOKS HARDCOVER

出版年 :2015年5月5日

感想

結論から申し上げます。大好きです!

もちろん世界中でベストセラー入りした作品ですから当然といえば当然かもしれません。私はちょっぴりあまのじゃくの傾向あって、世界中が大好きといえばかえって好きになれないことが多いのですが、今回は大丈夫でした。ワクワクするストーリー展開に、早く続きが知りたいという気持ちが走って、あっという間に読み終えていました。

マヤの物語では1920年代のブラジルとパリの社交会を背景に燃え上がる悲恋が美しく語られています。1920年代に生きたブラジル社交会の華イザベラはパリへ旅行した時にソルボンヌ大学の美術家の学生ローラン・ブリュイと知り合い激しい恋に落ちます。イザベラは故郷のリオで婚約者が待つ身。かなうはずのない愛の行方は・・・。マヤは生みの母親や家族と巡り会うことができるのか。そして養父の謎を解明できるのか・・・。

まだ続きが6冊あると聞きました。ルックスが違えばルーツが完全に違う6人の姉妹たちの物語が次々と明かされます。作者のルシンダ・ライリーは私たちをどのような世界へ誘ってくれるのでしょうか。次作を読むのがとても楽しみです。

ルシンダ・ライリーの逝去

作者ルシンダ・ライリーさんは先だってガンのため逝去されました。心からご冥福をお祈り申し上げます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回をお楽しみに!

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「悪魔は本当はいいヤツだった」トーマス・ピエト(未邦訳)【洋書レビュー】

2021年6月9日 by Izumi Ryo

こんにちは。和泉 涼です。今日は悪魔にインタビューしたパリの新聞記者のお話をご紹介します。

あらすじ

印象は感動的でみずみずしい処女作。

天国?地獄?昔から存在こそ知られていますが、実際どこにあるのでしょう?パリの新聞社に勤めるエゼキエル・ユルソは悪魔に連絡を取ろうとすること2年。その悲願が叶って悪魔が彼ら記者団を地獄へ招待します。

悪魔に会ったエゼキエルたちは度肝を抜かします。悪魔といえば昔から恐ろしい姿で人間を堕落させる邪悪な生き物、という印象がつきまとっています。

でも彼らを出迎えたのは優しく思いやりのある男性でした。彼らを見下すどころか友だちのようにもてなしてくれたのです。

ルシファー、通称ルルは、彼らに世界の本当の姿について話します。それも証拠まで添えて。

悪魔って本当はいいヤツなんだ!

この驚くべき事実を世界中の人たちと分かち合いたいという熱い思いが湧き上がります。

でも人間たちはこの奇想天外な話を信じてくれるのでしょうか?

作者について

作者のトマス・ピエト氏は音楽療法士。彼は中国の伝統的な医学を学び、自然分娩にも関心を持っています。次の記事をご覧ください。

出版社 小説キウィ出版

キウィ出版の本を手に持ったのは今回が初めてのこと。他社と比べて幅が0.8cm 〜1.3m 広くて、メモを撮る時など、本を開いたままにしておきたいときなどに扱いやすい点が気に入りました。

出版情報

原題「 Le Diable est un Mec Bien」

出版社は「小説キウィ」。2021年3月出版。361ページ。

感想

作者は音楽を使って体の中で調子が悪い部分の回復を手助けしたり、価値判断を下さずに優しく接して人間の体が生まれながら持っている生命力を信頼する治療を重んじる人。

長年日本に住んでいると大昔に中国から伝わった教えのことも多少心得がありますが、日本にも自分の中心を見つけることで世界と調和を保つ教えが伝わっています。

でも人生は慌ただしいものです。突然急なカーブを描いたり、ストレスをかけてくることもありますよね。何よりも世の中は回っていて止まることを知りません。

その中で私たちはときに一時停止ボタンを教えて息抜きをしたいと思ったりしますよね。ほんの一瞬でいいから。

こんなことを言うと周囲から妙に気を遣ってくれたりしてよけいにプレッシャーを感じることもあります。

だから愛が必要なのです。互いを気遣い、理解する愛さえあればお互いに労り合うことができるし、その愛の輪を広げることによって世界に愛の輪を広げることにつながるのです。

少なくとも私に伝わってきたメッセージはこんな感じでした。最初に申し上げたように、とてもみずみずしい小説です

話の展開が急すぎて分からなかった、という方はとにかく読んでみてください。もちろん和訳が出てからになるでしょうけれど。

思うに読む人によって感じ方も少しずつ違ってくるとと思います。

この小説が出てから3ヶ月。「映画になればいいね!」って言ってくれる読者が増えているそうです。

Izumiは個人的に映画化もいいと思いますが、実はマンガにも向いているのでは?と思っています。

マンガって 生き生きした表現で、オペラの題材になるようなスケールの大きいテーマがぴったりですよね?悪魔の意外な姿をテーマにしたこの作品にぴったりだと思います。

そうやってヨーロッパ、米国、アジアへ。そして日本にも上陸するといいなと思います。

お察しのとおり私はこの小説がとても気に入りました。

作者デビューを飾るのにふさわしい力作です。次回作に大いに期待しています。

 

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【洋書レビュー】幸せを運ぶクロワッサンの魔法のレシピ  著/カミーユ・アンドレア 

2021年5月3日 by Izumi Ryo

こんにちは。和泉 涼です。今日はフランスのちょっと変わった話題をご紹介します。

4月22日にクロワッサンをモチーフにした小説が発表されました。

実は作者の「カミーユ・アンドレア」は実はフランスの大物作家の偽名らしいのです。しかもその大物作家が誰なのか、読者はもちろん編集者も含め本当に誰も知らないのです。

カミーユ・アンドレアとしての第1作目は ”Le Sourire Contagieur des Croissants au Beurre”。「 クロワッサンの魔法の笑顔」でしょうか。

この4月22日に大手出版社のプロン社(PLON)から出ていて、早くも話題をよんでいます。

あらすじ

フランス人パン職人のピエール・ブランジェ(44歳)は秘伝のクロワッサンのレシピと野望を手にアメリカへ渡り

冷凍クロワッサンで大成功したビジネスマン。10年後のいまや全米の長者番付に乗るほどの大富豪になりました。

直営のパン屋さんにはマドンナをはじめ有名人や女優たちが出入りし、

美人敏腕弁護士ケイトのハートを射止めて結婚、そして玉のような男の子も授かってパパに、

自社ビルの最上階のオフィスからマンハッタンを見下ろし、自宅マンションからはセントラルパークを一望する、

夢の暮らしを手に入れました。

ある朝、ピエールは歩道でホットドッグの屋台を引くメキシコ人の老人と出会います。

老人は一杯百万ドルのコーヒーを飲まないかと尋ねます。好奇心をくすぐられたピエールは飲んでみみることに。一杯が百万ドルもの価値のあるコーヒーなら買収してクロワッサンとセットで売れば事業をさらに大きくできる、そう思ったのです。

「うまい!こんなうまいコーヒーは飲んだことがない!」

老人のコーヒーをひとくち飲んだピエールはこれまでに体験したことのない美味しさに目を見はります。口の中でとろけるような味、豊かな香り・・・。まさしく極上のコーヒーです。

ピエールは老人に魔法のようなコーヒー豆がどこから来たのか尋ねると老人は次の日に教えてやると言います。こうしてホットドッグ売りの歯のない老人と奇妙なやりとりをするうちにピエールにも自分の本当の姿が見えるようになります。

それはマイカーから降りて自社ビルの入り口にを通るまでのわずかな距離さえ携帯の画面をにらみながら歩き、社員とも誰とも挨拶すらしないビジネスマン。息子を保育園へ送って行ったこともない父親。妻とまともな会話すらしていない夫。お金と成功だけが友達のさみしい男の姿でした。

お金と成功を手に入れたのか?それともお金と成功に魂を売ったのか?

本当のシワセトは何か?ピエールの心の旅が始まります。

Izumiの感想

これまで哲学の世界のやりとりとか、シンプルな生活のススメだとか、夜行列車に乗ってスイスからリスボンへ旅をしながらこれからの自分の人生を見出す旅の物語が、その時どきに話題になってきました。中には映画化された作品もあります。

でもどこか「特別な主人公に起こるステキな旅」という印象が強かったと思います。

この作品では主人公のピエールにスポットライトが当たっていますが、彼の周囲の人も幸せのレシピにふれて人生が変わる様子が描かれています。こうして昼間はピエールのビルの清掃業者として働き夜学で看護師の勉強をしている女学生は幸せのレシピに関するメモを見つけることで新たなギャリアを見つけることができますし、また別の自殺をしようとしていた若い女性もこのレシピとの出会いから運命の恋に出会うことができます。

成功したビジネスマンだけではない。

人生の階段を駆け上がる途中でつまずいてしまった若い人やホットドッグ売りの老人の人生さえも変われると説いている点がとても気に入りました。

近い将来日本語に翻訳されみなさんのお手元に届くことを願っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

次回をお楽しみ。

和泉 涼

Filed Under: カミーユ・アンドレア, カミーユ・アンドレア

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