『赤いモレスキンの女』に出てくる読書リスト(作家別)

2021年6月11日

こんにちは。和泉 涼です。『赤いモレスキンの女』を読まれましたか?フランスの近代文学の寵児アントワーヌ・ローラン日本で翻訳された2番目の小説です。実はこの小説の中フランスの小説が好きで、古典系の作品をお探しの方にぴったりの読書リストが紹介されていましたよね?

そのリストで紹介されたフランス文学の作者をご紹介します。

初歩から古典文学までさまざまな分野を網羅できるリストです。

マルセル・エーメ (1902-1967年)

・「Les Contes du Chat Perché」 邦題「ゆかいな農場」

・デルフィーヌとマリネットは両親と動物たちに囲まれて牧場に住む小学生の女の子。ふたりには秘密がありました。牧場の動物たちと人間のことばで話すができるのです。農場に住む猫は物語を通してふたりにさまざまなことを教えていくのでした。

シャルル・ボードレール (1821-1867年)

フランスの詩人。代表作は詩集の『悪の華』。この中でボードレールは詩を道徳から切り離し、「真実」でなく「美」に捧げた作品と位置づけた。評価は高かったがまもなく公序良俗違反と批判された。

アルテュール・ランボー (1854-1891年)

19世紀のフランスを代表する詩人。神童と言われ15歳から20歳までに書いた詩が全作品。それ以降は筆を折って書簡しか書いていない。代表作は「酔いどれ船」など。

ジャック・プレヴェール (1900−1977年)

フランスの民衆詩人、映画脚本家、シャンソンの作詞家。代表作は「こどばたち」、シャンソン『枯葉』の作詞、映画「天井桟敷の人々」など。

ポール・エリュアール (1895−1952年)

ダダイズム・シュールレアリズムの詩人。16歳の時に結核を発症し療養地でロシアから亡命中のヘレナ・ディアコノヴァ(通称ガラ)と出会い、教養があり奔放なヘレナと恋に落ちる。二人は一緒にネルヴァル、ロートレアモン、ボードレール、アポリネールなどの詩集を読みふけった。

第1次世界大戦、第二次世界大戦の両大戦の経験から平和主義・平和活動に傾倒した。『自由』、『詩人たちの名誉』のほか詩集をたくさん出した。

マルセル・プルースト  (1871-1922年)

フランスの小説家。裕福な家庭の出身で喘息が原因で呼吸器系の疾患に生涯悩まされた。テーマは失われた時間や愛の記憶についての議論。愛と嫉妬と人生の虚しさをテーマにした代表作は1913-1927年に執筆された「失われた時を求めて」。7冊の作品群である。200人もの人物が登場し人間ドラマを通して見事に時代を描いている。この作品により「20世紀を代表する作家」と評された。

スタンダール (1783-1842年)

フランスの小説家。若いころは「幸福の探究」と称して愛と芸術と音楽に人生を捧げたいと考える若者だった。

最愛の母を死後は読書が心の拠り所となった。パリの大学で文学の勉強したいと希望したが周囲の強い勧めがあって役所に就職。仕事の合間に執筆を続けた。

代表作は『赤と黒』、『パルムの僧院』など多数。バルザック、ビクトル・ユーゴ、フローベール、エミール・ゾラと並んで19世紀を代表する作家といわれていている。

アルベール・カミュ (1913-1960年)

アルジェリア生まれのフランスのジャーナリスト、作家、哲学者。1957年にノーベル文学賞を受賞。

代表作は『異邦人』、『ペスト』など多数。

ルイ=フェルディナン・セリーヌ (1894-1961年)

フランスの医者、作家。

代表作は『夜の果てへの旅』など。

ステファーヌ・マラルメ Stéphane Mallarmé(1842-1898年)

ランボーと並ぶフランスの象徴主義の詩人。

代表作は『半獣神の午後』、『パージュ』など。

結論

フランス文学を読んでみたいとき、どれから始めたらいいかわからない方、このリストの作品をぜひ読んでみてください。

フランス文学は愛や悲しみや希望など目に見えない美しい感情をことばにしたもの。

この上なく美しい世界を心から楽しんでください。

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では次回をお楽しみに! A bientôt!!

和泉 涼