【レビュー】洋書”La Parisienne de Paris”「麗しきパリジェンヌ」アントワーヌ・ローランほか(未邦訳)
あらすじ
「パリジェンヌ」とは誰?当たり前すぎるようで実はとらえるのが難しいアイコン。いつの時代もパリジェンヌをとらえるのは時代の文学。
パリジェンヌの過去・現在・未来の姿を四人の作家と一人のイラストレーターがとらえました。
1.「現代のパリジエンヌ〜あるジュ・ヌ・セ・クワを探して〜」著/アントワーヌ・ローラン(Antoine Laurain)
現在のパリジェンヌは誰か?辞典によると「パリジャン・パリジェンヌ」の意味は「パリという街に関わるもの、こと、人」と載っています。単にパリという街の住人という意でしょうか?
パリといえばデザインとアパレル業界の都。アパレル業界はどうとらえているのでしょう?
雑誌をめくると美しい服をまとった女性が、パリの美しい街角を背景に撮った写真のコレクションが目につきます。本当にパリを背景にしているだけでパリジェンヌといえるでしょうか?
そもそもパリジェンヌがアイコンとして存在するようになったのはいつ頃からでしょう?どのように進化して現在の姿になったのか、そして未来像は。
「ミッテランの帽子』、『赤いモレスキンの女』で知られるアントワーヌ・ローランが21世紀を生きる小説家の目線で、現在と未来のパリジェンヌ像をとらえます。
2.「パリジエンヌ」著/ジェラール・バウアーGérard Bauër
文学やファッション、エスプリ・・を通してパリジエンヌを描きます。
3.「女」著/ ピエール・ド・レニエ Pierre de Régnier
主人公ベルナールの打ち明け話、というスタイルのエッセイ集。1920年台のパリジエンヌ像に迫ります。
4.「ラ・パリジエンヌ」著/ アンリ・ベック Henry Becque
1885年の芝居。妻は人妻か?愛人か?一人の女と二人の男の大人の恋の物語。
5.イラスト ルネ・グルオー René Gruau
ディオール、バルマン、バレンシアガのトップアーティストのためのファッションのイラストを描き続けたアーティスト。本作でもグルオーのイラストが文章とバランスをとるように散りばめられています。
まとめ
パリジエンヌを19世紀末から21世紀の200年間を軸に、時代をリードした作家、劇作家、小説家の筆を駆使して描いた作品。
花の都パリのTPOに精通したそつのなさやとらえどころのない愛らしさで世界中の熱い視線をとらえて離さないパリジエンヌはついに国境を越え、時代を越えた存在になるのでしょうか。これからもますます目が離せないかも知れません・・・。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回をお楽しみに! A bientôt!!
和泉 涼
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