ベルギー・コミックの世界〜コミックから世界へ
Les Trésors de la BD belge
こんにちは、和泉 涼です。今回はマンガの話題をお届けます。
- 1. 日本の漫画とベルギー・コミック
- 2. 2大週刊誌「タンタンの冒険(Les Aventures de Tintin」と「スピルー(Spirou)」
- 3. 有名なコミック7篇
- 3.1. 1. タンタンの冒険(Les Aventures de Tintin、1929年)作/エルジェ(Hergé)
- 3.2. 2. スピルーとファンタジオの冒険(Spirou et Fantasio、1938年)作/
- 3.3. 3. ボブとボベットの冒険(Bob et Bobette、1945年)
- 3.4. 4. ルキルックの冒険(Lucky Luke、1947年)作/モリス(Morris)
- 3.5. 5. スマーフ(Les Schtroumpfs、1948年)作/ペヨー(Peyo)
- 3.6. 映画化 ” The Smurfs,the Lost Village “
- 3.7. 6. ブールとビル(Boule et Bill、1949年)作/
- 3.8. 7. ヨーコ・ツノの冒険(Yoko Tsuno、1970年)作/ロジェ・ルルー(Roger Leloup)
- 3.9. 8. ナタシャ(Natasha、1970年)
- 4. 最後に
日本の漫画とベルギー・コミック
日本語の「マンガ」という単語は翻訳されることなく「Manga」のままで世界中で親しまれています。またスーパーマンやバットマンなどのヒーローを生んだアメリカのマンガは「アメコミ」として知られています。ベルギーやフランスのコミックは「ベーデー(BD)」とよばれていうます。これは Bande Dessinée(漫画の意味)の略。今回はそのベルギーのBDの世界をご紹介します。
2大週刊誌「タンタンの冒険(Les Aventures de Tintin」と「スピルー(Spirou)」
ベルギーコミックで一番古いものは19世紀後半にさかぼのります。
でも今の流れをくむのは、エルジェの「タンタンの冒険」から始まりました。タンタンの冒険が登場したのは地元新聞20世紀紙ですが、のち週刊誌ができました。
週刊タンタン(Le Journal de Tintin)
週刊スピルー(Spirou)
1930年代以降にはアメリカのコミックが多く流行りましたがヨーロッパの青少年向けの読み物(娯楽性と教育性のバランスなど)が読者とマッチしていないのでは?ということになりました。
そこで新たに週刊スピルー(Spirou)が創刊されます。こちらのメインキャラクターはスピルーとファンタジオの二人のレポーター。
こうして2つの週刊誌にはいろいろな作品が次々と登場。特に人気のあったものはのちに単行本になりました。その中から7作品セレクトしました。
有名なコミック7篇
1. タンタンの冒険(Les Aventures de Tintin、1929年)作/エルジェ(Hergé)
少年記者タンタン(Tintin)が愛犬のスノウイ(Milou)、友人のアドック船長(Le Capitaine Haddock)らと世界をまたにかけて活躍する物語。
1929年に地元新聞に掲載されて以来人気になりました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
2. スピルーとファンタジオの冒険(Spirou et Fantasio、1938年)作/
主人公はスピルーとファンタジオの二人のレポーター。赤いホテルベルボーイ姿のスピルーと青い上着姿のファンタジオ。二人がさまざまなギャング団や遠い国の独裁者やクレイジーな科学者を退治していく、というストーリー。ユーモラスな語り口と独特のSFファンタジーが特徴です。
3. ボブとボベットの冒険(Bob et Bobette、1945年)
元々はオランダ語の作品。オランダ語圏の新聞に1945年から1974年まで連載された。フランスでは週刊タンタンで連載されました。
作品はユーモラスな語り口・少し道徳的なエンディングが特徴です。題材は時事問題、オランダ語圏の文化や習慣、おとぎ話や神話からとっていることが多い。
4. ルキルックの冒険(Lucky Luke、1947年)作/モリス(Morris)
週刊スピルーのスピンオフ作品の一つ。英語読みすると「ラッキールーク」ですがずっとフランス語読みの「ルキルック」で親しまれてきました。
主人公のリュックはアメリカ西部の「影より素早い早撃ちの名人」。流浪のカーボーイで愛馬ジョリー・ジャンパーと愛犬ランタンプランを従え、悪者ダルトンズらと対決して西部の平和を保つ、というのが主なストーリー。ユーモラスな語り口とアメリカ西部劇のパロディで有名。
5. スマーフ(Les Schtroumpfs、1948年)作/ペヨー(Peyo)
日本名「スマーフ」はオランダ語版の訳で、現代は「シュトルンフ」とちょっと発音が複雑な名前。漫画家Peyoの作品で、1992年に亡くなるまではずっとPeyoが描き続けた。
スマーフは大きな森の秘密の場所にある村に住んでいるとされる、キノコの妖精のようなキャラクター。ブルーのボディに白い帽子と白いズボン姿の愛くるしい容姿が世界中で愛されています。
賢者の石を作るためにスマーフを捕まえようとする悪の魔法使いギャルギャメルと猫のアズラエルの悪巧みを暴き懲らしめるのが主なストーリーライン。
興行成績もめざましくて、コミック本やアニメだけでなくフィギュアをはじめとするグッズ販売も目まぐるしい。これまでにコミック本2,500万冊、フィギュア3億点、レコード・CDが4千万枚、DVDも8百万枚にのぼるとされています。
映画化 ” The Smurfs,the Lost Village “
Official Trailer ↓
ストーリー
ある日スマーフたちが古い地図を見つけます。秘密の村へ行ける地図です。勇気を奮い起こして旅立つスマーフたちですが、途中で宿敵ガーガメルに出くわしてしまう・・・。
キャスト
マンディ・パティンキン = チーフ・スマーフ役
デミ・ロバート = スマーフェット役
ジュリア・ロバーツ = セコイア・スマーフ役
ミシェール・ロドリゲス = テンペスト・スマーフ役
ほか
スタッフ
監 督:ケリー・アズベリー
脚 本:ステイシー・ハーマン
パメラ・リボン
トロイ・クエーン
原 作:ペヨー
音 楽:クリストファ・レナーツ
製 作:ソニー・ピクチャーズ・アニメーション
映画データ
原 題:The Smurfs the Lost Village
公 開:2017年
制作国:アメリカ
配 給:コロンビア・ピクチャーズ
上映時間:90分
6. ブールとビル(Boule et Bill、1949年)作/
ジャン・ロバ(Jean Roba)
主人公はブール少年と愛犬のビル。赤毛の少年と赤毛のコッカースパニエルの友情と、二人がパパとママと亀のカロリーヌも巻き込んで起こす愉快な騒動を綴るユーモラスな作品。
たびたびアニメ化され、2013年にフランスで映画化されました。
7. ヨーコ・ツノの冒険(Yoko Tsuno、1970年)作/ロジェ・ルルー(Roger Leloup)
はじめての女主人公が登場するコミック。主人公のツノ・ヨーコは日本育ちの女性電気工学士で電気工学しにしてヘリコプターの操縦もお手のもので、地球で宇宙で時には時空を超えて活躍します。
8. ナタシャ(Natasha、1970年)
主人公はナターシャという、キレものでセクシーなスチューワデス。相棒は同じ航空会社のパーサー。フライト先で事件に巻き込まれる設定になっている。
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最後に
ベルギー・コミックは昔から世界中で愛されている名作がたくさんありますが、時代は第2次世界大戦前から今日までずっと衰えずにきている点に感心しました。
いかがでしたか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回をお楽しみに! A bientôt!
和泉 涼
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