【洋書】Les Dédicaces, Cyril Massarotto
ストーリー
クレール(40歳)は、人生を捧げる本命の男性とのめぐり会いを心待ちにしているキャリアウーマン。そんな彼女の趣味は献辞入りの本を集めること。ある日作者の一風変わったサイン入りの小説を見つける・・・。
フレデリック(39歳)は2冊目の本を出版したばかりの売れっ子作家。シングル歴3年。本命の女性との出会いを待っている・・・。
小説のサイン会で二人は出会って恋に落ちる。幸せに酔いしれる一方、自分の心に潜むもろさや疑い深さなどに直面する。
この愛は人生からの最高の贈り物、それとも試練?
そして二人の恋の行方は・・・?
テーマ
恋愛での女性の心情と男性の心理の違いは?男性から見た女性像とは?
幸せな人生を手に入れる代償とは?男と女の恋愛ゲームはどこまで続く?
など
モチーフ
小説のサイン会とサイン本
インディペンデント書店が多いフランスでは作者を囲むサイン会が盛んに行われます。その醍醐味は何といっても献辞入りのサイン本をもらえること。
大切な人からの献辞:
親から子への贈り物、恋人同志の贈り物、友人同士の贈り物
お祝い、別離、死別、機会はいろいろ。
それぞれに固有の物語があります。
作者からもらう献辞:
サイン会へ行って作者から献辞をもらうのは色紙にサインをもらう感覚に似ているでしょうか。
でも作者がサイン会に訪れた女性に好意を感じて電話番号を書いて渡したとしたら・・・。作品中に登場するのは、作者が電話番号と一緒にSalomeという女性への献辞。
作者自身が自宅の電話番号を書いて渡した謎の女性。彼女はどこの誰なのでしょう?これが物語の出発点・原動力になっています。
出版
2020年 Flammarionから出版
ご購入
amazon.jpでご購入いただけます。私もここで購入しました。
まとめ
物語は主人公のクレールが一人称で語る形式。女性の心理を通して恋愛を描いています。「結婚したいタイプは出会った瞬間に分かるもの?」、「男性の恋ゲームのうちなら嘘は「ウソ」じゃない?」など、恋愛の永遠のテーマがたくさん登場します。
現代的で、コケティッシュで、ウイットに飛んだ作品です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回をお楽しみに! A bientôt !!
和泉 涼
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