【洋書レビュー】あなたの存在は消えない(ミシェル・ビュッシ)未邦訳

2021年4月20日

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こんにちは。今フランスでベストセラー入りした作品ご紹介します。作者は日本ですでに紹介されているミシェル・ビュッシです。Izumiはフランス語圏のニュースをお届けるするのが使命の一つ。いち早くこの話題をお届けします。

ストーリー

シングルマザーで女医のマディは10歳の息子エステバンとバスク地方の海辺の町サンジャン・ラ・ルスで二人暮らし。毎朝に海でひと泳ぎした後にエステバンが近くのパン屋さんへ朝食のパンを買いに行くのが習慣でした。

10歳の誕生日の日の朝、エステバンは朝食のパンを買いに行ったきり戻って来ません。驚いたマディは探し回ります。浜辺も道路もパン屋さんも。

毎年フランスの海辺では子どもの誘拐事件が発生しますが、まさか我が子が。恐ろしい不安がマディの胸を締めつけます。

警察も総動員で捜索します。エステバンの写真も町の中にも隣の町まで貼り出して手を尽くしまがとうとう見つかりません。

あれから10年ー。

マディは束の間のバカンスのためこの町に戻ってきました。事件からずっと心の支えになってくれたガブリエルと一緒に。

ある朝浜辺にいるとエステバンと瓜二つの少年を見かけて心臓が止まります。顔も背格好も年齢も何もかもそっくりなのです。もちろん本当にエステバンならもう20歳の若者になっているはずです。こんな偶然がありえるだろうか。

女医であるマディは科学を信じて医者としてキャリアを積んできた知的な女性。生まれ変わりや入れ替わりのような、科学的な根拠のない話に惑わされまいとしますが、母親の本能が、魂の叫びが頭の中で響きます。

何かがおかしい!やっぱり息子の失踪にはウラがあったのではないか。今度こそ真相が知りたい!

彼女は少年が住むオーベルニュ地方に移り住んで調査を始めます・・・。

予告

テーマ:子どもの失踪という悲劇

10年前に我が子が失踪。たった一人の息子を探すためにどこまでできますか?

主人公マディは立ちはだかる全ての壁を倒して突き進みます。我が子を探すためにバスク地方からオーベルニュまで引っ越して、事件の真相に迫ります。

モチーフ:背景

バスク地方の浜辺の街 サンジャン・デ・ルス

オーベルニュ地方の小さな村 ムロル

作者ミシェル・ビュッシについて

1965年生まれ。ルーアン大学の地理の教授。フランスのフィガロ誌によると2014年からフランスで2番目に売れている作家とされています。

ご購入

すぐに読みたいと思い紙や電子書籍ではなくオーディオブックにしました。

オーディオブックをお勧めする理由

  1. コインを持っていれば購入ではなくコインと交換できる。
  2. 購入前に試聴できる。
  3. 購入後すぐに視聴できる。
  4. 別の作業をしながら聴ける。つまり料理をしながら、運動しながら、通勤通学途中に、「ながら視聴」ができるワケです!
  5. 大幅な時間短縮ができる。

というわけで今回の購入ページはこちらです。

日本語に翻訳された作品

黒い睡蓮 

原題:Nymphéas Noires

翻訳:平岡敦 2017年集英社文庫

『彼女のいない飛行機』で注目を集めた著者が贈る、叙述ミステリの傑作が登場! 三人の女性が語る三つの殺人事件。その真実とは?

読者を謎の迷宮に誘う、仏ルブラン賞・フロベール賞受賞の話題作。

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彼女のいない飛行機

原題:Un Avion Sans Elle

翻訳:平岡敦 2018年集英社文庫 

飛行機事故で唯一生き残った少女は誰の子なのか。少女を取り合う二つの家族、そして真相を追う私立探偵を巡って事件は錯綜をきわめていく…。

フランス・ミステリ界の新たな金字塔が登場!

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結論

いかがでしたか?ミシェル・ビュッシの作品を初めて体験しました。アメリカの『ダヴィンチ・コード』並みの謎かけをたたみかける手法は見事です。機会があったらミシェル・ビュッシの作品をお手に取ってみてくださいね。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

次回をお楽しみに! A bientôt!!

和泉 涼