蘭の館(上・下)セブン・シスターズ第1巻
愛と運命の力をテーマにした壮大な物語。
あらすじ
2007年、ロンドン。パ・サルトの突然の死の知らせにマイアの血が凍ります。マイアは世界中に散らばっている姉妹たちに悲報を知らせ、彼女たちと子ども時代を過ごしたレマン湖の辺りの城アトランティスへ向います。
養父のパ・サルトは結婚していませんでしたが、世界中を探して自分たちを一人ひとり探し出して養女に迎えてくれました。そして娘たちにプレイアデス星団の星の名前をつけ、湖の辺りの城で大切に育てました。
6人の娘たちはみんなルックスも性格も才能も違っています。そのせいか衝突することもありました。でも誰も養女が選ばれた理由は分かりません。
養父のパ・サルトは家を空けることがよくありました。彼はどこへ、何しに行っていたのか。なぜ娘を7人養女にしたのか。なぜ7人目の姉妹を見つけ出すことができなかったのか。何よりも養父はどんな事業で生計を立てていたのか。娘の自分たちすら 分かっていないことにがくぜんとします。
パ・サルトはひとりひとりに最後の手紙を残しました。中には血のつながった家族を探し出すための手がかりが入っているというのです。
1巻目は長女のマイアの物語。
マイアは翻訳家。養父の最後の手紙を開けると中にはブラジルの首都リオ・ド・ジャネイロにある由緒ある屋敷の座標と陶器の破片が。マイアはブラジルへ行ったことなどありません。知り合いといえば彼女が翻訳を手がけた作家くらい。
誰も知らない街で本当の家族を探し出すことができるのでしょうか。
映画「セブン・シスターズ」
余談ですがネットで「セブン・シスターズ」と検索するとNetflix映画が出てきました。これはヌーミ・ラパス、ウィレム・デフォー主演のSF映画。
この小説とは関係ありません。
出版データ
日本語版
タイトル: 蘭の館 (上・下)
翻 訳 :高橋 恭美子
出版社 :創元推理文庫
出版年 :2017年7月20日
オリジナル
タイトル: The Seven Sisters ”Maya"
作者名 : Lucinda Riley
出版社 :ATRIA BOOKS HARDCOVER
出版年 :2015年5月5日
感想
結論から申し上げます。大好きです!
もちろん世界中でベストセラー入りした作品ですから当然といえば当然かもしれません。私はちょっぴりあまのじゃくの傾向あって、世界中が大好きといえばかえって好きになれないことが多いのですが、今回は大丈夫でした。ワクワクするストーリー展開に、早く続きが知りたいという気持ちが走って、あっという間に読み終えていました。
マヤの物語では1920年代のブラジルとパリの社交会を背景に燃え上がる悲恋が美しく語られています。1920年代に生きたブラジル社交会の華イザベラはパリへ旅行した時にソルボンヌ大学の美術家の学生ローラン・ブリュイと知り合い激しい恋に落ちます。イザベラは故郷のリオで婚約者が待つ身。かなうはずのない愛の行方は・・・。マヤは生みの母親や家族と巡り会うことができるのか。そして養父の謎を解明できるのか・・・。
まだ続きが6冊あると聞きました。ルックスが違えばルーツが完全に違う6人の姉妹たちの物語が次々と明かされます。作者のルシンダ・ライリーは私たちをどのような世界へ誘ってくれるのでしょうか。次作を読むのがとても楽しみです。
ルシンダ・ライリーの逝去
作者ルシンダ・ライリーさんは先だってガンのため逝去されました。心からご冥福をお祈り申し上げます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回をお楽しみに!
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