SAKURA 2021
こんにちは。和泉 涼です。今年は例年に比べて暖かい日と少し寒い日が交互になり、気がつくと桜の季節でした。
例年は天気予報で「桜前線」ということばとともに、梅雨前線ならぬ桜前線が九州からだんだん北上していく様子が報道されていましたが、今年は九州よりも東京の方が先に開花していたようですね。
春を告げる「桜」の花。厳密にいうと何百種もあるといわれています。山の桜とお花見スポットの桜は花びらの色も開花時期も違います。そしてSAKURAが今や世界で日本語のままで理解されつつあることをご存知ですか。今回はその桜の話題をお届けします。
日本人が桜を愛するようになった起源とは
昔むかし日本の人々は春になると田の神が山から降りてきて桜の木に宿り桜開花すると信じていました。人々は桜の開花を合図に田植えを始めたそうです。お米は日本人の食の基本。春の到来は命そのもの、桜は田の神が宿る神聖な木を意味していたのです。
桜が花をつけると人々はごちそうさまをお供えして、それを下げるとみんなで分けて食べたというのが花見の起源といわれています。
春の訪れを知らせてくれるサクラ
楽しいお正月も終わると早く寒い冬が過ぎ去って、春がやってくるのが待ち遠しくなります。
待ちに待った春の到来を告げてくれるのはサクラ。早春の寒空に浮かび上がる淡いピンクは本当にキレイですよね。
桜は品種が数百種ともいわれ、開花時期も生息する地方も異なります。
山桜(ヤマザクラ)
古くから鑑賞されてきた品種のひとつ。
ちょっと難しいですが正式にはバラ科サクラ属の高木といわれます。
特徴は高さが20mを超えることもある高木で、花弁は5枚の一重咲き。ソメイヨシノより成長に時間がかかり、花の数も少ないもの。
古来日本人に最もなじみの深い桜で、江戸後期から明治時代にかけてソメイヨシノが開発されるまでは、花見といえば対象はヤマザクラでした。
百数十年生きることができます。
ソメイヨシノ(染井吉野)
江戸中期以降に開発されたサクラの品種。漢字では染井吉野」です。現在の花見の対象のサクラ。
2種類のサクラを交配して作られた品種です。
母花はエドヒガンと呼ばれるて葉より先に花が咲く品種。父花は成長の早いオオシマザクラ。日本で開発された品種です。
花弁は5枚の一重咲き、つぼみは濃いめのピンクですが開花すると淡いピンクの花が咲き、花の命が終わりに近づくにつれて白っぽくなります。
江戸時代中期に開発され、昭和時代の特に高度成長期に全国で植樹されました。
現在はお花見スポットで見られる品種です。
寿命は60年くらいが目安といわれています。
桜をこよなく愛する日本の文化
- お花見は平安時代からあった風習で、満開の桜を眺めながら行う宴。
- 桜吹雪 :桜の花びらが春の風に強く舞う姿は昔から愛されてきました。
- もう一つの桜吹雪:あの遠山の金さんの桜吹雪もそんな風流の世界に根差すもの。
- 「さくら さくら」 春をモチーフにした日本の楽曲。世界中で愛されています。
- 「サクラサク」昭和時代に受験に合格したことを知らせる際の定番のことば。
- 「同期の桜」第2次世界大戦までの日本海軍の軍歌に出てくることばで「同級生」「同期生」の意味がありました。
- サクラクレパス 学童用のクレヨンのメーカーのシンボルは桜でした。
- 海上自衛隊のシンボルは桜の花。
- 桜もちを包むのは山桜の葉っぱ(塩漬けして加工したもの)
ヨーロッパの春の訪れ
春は生命力あふれる春が戻ってくる季節。春を迎える行事はヨーロッパでも見られます。
クラシック音楽では、フランスの作曲家サン・サーンスが作曲した「動物の謝肉祭」では動物たちが春の到来を喜ぶ様子が表現されています。
ヨーロッパの場合はカーニバル。キリスト教では冬の終わりに日中断食の期間がありますがそれが終わるとカーニバルで盛大に祝う風習がありました。カーニバルは海を渡り南米のリオでは世界中で映像が中継される一大イベントになりました。ヨーロッパのカーニバルは今はもっぱら子どもたちのお祭りでお面をかぶったり、紙吹雪を投げたりと町中が大賑わいになります。
世界のSAKURAへ
日本での春の到来を象徴するサクラは、寒さをグッとこらえつつ静かに待つ、という趣深い面が親しまれてきました。はSAKURAは世界中で通用するようになりました。
その中でSAKURAが日本語のままで世界的に定着したことほど嬉しいことはありません。
STARBUCKS’のSAKURA
米国シアトル発のコーヒーの世界チェーンSTARBUCK S’では、毎年バレンタインの季節が終わるとSAKURAをテーマにしたコーヒーブレンド、マグやグッズの販売が始まります。
MoleskineのSAKURA手帳
Moleskine手帳からも春に必ずSAKURAのネーミングで限定品の手帳が出ています。
結論
日本が世界に誇る財産、それがサクラといっても過言ではないでしょう。可憐なピンクの花が無数に咲く様子、それが風に舞う様子はそれだけでも日本を訪れる価値があるといわれてきました。私たち日本人が世界に誇る宝ものです。
今その価値観がモレスキンやスターバックスのように世界で活躍するメーカーにも継承されている点は本当に素晴らしいですよね。日本人として本当に誇らしく思います。
関連記事「春の海と青い地球」もどうぞ。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
次回をお楽しみに! A bientôt!!
和泉 涼
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